第1章 在宅勤務太りの真の原因とは?“便利な生活”が引き起こすカラダの鈍化
在宅勤務になってから「気づけばズボンがきつくなっていた」「顔がむくんでいる」と感じる人は少なくありません。
その背景には、単に「運動不足」という言葉では片付けられない、生活リズムの乱れと体の使い方の変化が隠れています。
① 通勤がなくなり「自然な運動量」が激減
オフィスに通っていた頃は、通勤・階段・昼食への移動などで1日5,000〜8,000歩ほど歩いていました。
しかし在宅勤務では平均1,000歩未満に落ちる人も多く、1日の消費カロリーが200〜400kcal減少すると言われています。
この「小さな積み重ね」が数ヶ月で体重増加に直結します。
② 座りっぱなしによる「血流低下」と「筋肉の衰え」
長時間座ることで、太ももやお尻の筋肉が使われなくなり、血流が悪化。
結果として「むくみ」「冷え」「脂肪が落ちにくい体質」へとつながります。
特にお尻の筋肉(大臀筋)は脂肪燃焼を促す重要な部位。
ここが弱ると代謝全体が落ちるため、体重が増えやすくなります。
③ メンタルストレスと“食のリズム崩壊”
在宅勤務では「オン・オフの境目」が曖昧になり、ストレスを感じやすくなります。
その結果、甘いものやスナック菓子を“ご褒美”に食べてしまうケースが多いです。
また、仕事中に何度もキッチンに立てる環境も誘惑の一因。
トレーナーとしては、「ストレス=食欲」ではなく、「ストレス=運動」という意識転換を勧めています。
第2章 なぜ「自宅+ジム併用型」パーソナルトレーニングが効果的なのか?
これまでのダイエットやトレーニングは、「自宅で完結型」または「ジム通い集中型」に分かれていました。
しかし在宅勤務時代に求められているのは、その中間——つまりハイブリッド型のアプローチです。
① “自宅トレ”は継続力アップの鍵
人は「習慣化」できる環境でしか継続できません。
自宅トレーニングは、時間・天気・移動に左右されず、心理的ハードルが低いのが最大の利点です。
朝のコーヒー前にストレッチ、昼休みにスクワット10回、夜寝る前にヨガポーズ。
このように“生活のスキマ時間”に運動を組み込むことで、体は確実に変わっていきます。
② “ジムトレ”は成長とモチベーションの原動力
一方で、ジムは「正しい負荷」「正しい姿勢」「仲間の刺激」が得られる場所です。
在宅勤務中は孤独を感じやすく、モチベーションが下がりやすい。
しかしジムに行くことでトレーナーや他の利用者と交流でき、“人と会うエネルギー”が運動の継続を後押しします。
③ トレーナー視点:ハイブリッドの成功率は単独型の1.5倍
当ジムのデータでは、「自宅+ジム併用」の会員は、
・3ヶ月継続率…85%
・体重減少の平均値…−3.8kg
と、どちらか一方のみの方よりも成果が高い傾向があります。
理由はシンプルで、「自宅で維持し、ジムで伸ばす」というリズムが途切れにくいためです。
第3章 自宅でできる“在宅勤務太り”解消メニュー
ここでは、在宅勤務中でも気軽に行える、科学的に効果が高い3種目を紹介します。
道具不要・スペース1畳でOKです。
① スクワット:下半身の筋肉を目覚めさせる万能トレーニング
- 目的:代謝アップ・太もも・お尻の引き締め
- やり方:
- 足を肩幅に開く
- 背筋を伸ばしたまま、お尻を後ろに引くように下ろす
- 太ももが床と平行になるまで下ろしたら、ゆっくり戻す
- 15回×2セット
- ポイント:
膝がつま先より前に出ないように。背中を丸めず、胸を張ることでフォームが安定します。
呼吸は「下げる時に吸う・上げる時に吐く」。
下半身の大筋群を動かすことで、一時的に基礎代謝が12〜15%アップします。
② プランク:デスクワーク姿勢をリセットする体幹トレーニング
- 目的:姿勢改善・腹筋・背筋の強化
- やり方:
- 肘を床につけ、つま先で体を支える
- 頭からかかとまで一直線をキープ
- 呼吸を止めずに30秒キープ×2〜3セット
- ポイント:
腰が落ちたり、背中が丸まったりしないように注意。
仕事の合間に1分取り入れるだけで、姿勢が整い肩こりも軽減します。
特に在宅勤務中の“猫背対策”として効果的です。
③ ヒップリフト:骨盤矯正&下半身シェイプアップ
- 目的:骨盤・ヒップライン・腰痛予防
- やり方:
- 仰向けに寝て膝を立てる(足は腰幅)
- お尻を持ち上げ、肩〜膝が一直線になるようにする
- 2秒キープしながらゆっくり下ろす
- 10〜15回×2セット
- ポイント:
腰ではなくお尻を意識して上げること。
骨盤の歪みが整い、ぽっこりお腹の改善にもつながるエクササイズです。
🔹トレーナーアドバイス
「筋トレは“短時間で終わらせる”のがコツです。長く続けるより、“1日5分でもいいからやる”を習慣化するほうが成果が出ます。」
在宅勤務中は集中力が切れやすいため、トレーニングを「リフレッシュタイム」として取り入れると続けやすくなります。
例えば、午前の仕事前にスクワット、午後の集中前にプランクなど、仕事の区切りごとに動くことで、脳も体もスッキリします。
第4章 ジムで行うべき“代謝を上げる”効果的なメニューとポイント
自宅でのトレーニングが“維持”だとすれば、ジムトレーニングは“強化”のステージです。
在宅勤務の生活では、姿勢の歪みや筋肉バランスの偏りが出やすいため、ジムでは「正しいフォーム+適度な負荷」を意識しましょう。
① 下半身中心の筋トレ(脂肪燃焼の要)
人間の筋肉の約70%は下半身に集中しています。
スクワットやレッグプレスをジムで行うことで、大臀筋・ハムストリング・大腿四頭筋といった大筋群を効率よく鍛えられます。
- おすすめメニュー
・レッグプレス:10〜12回×3セット
・ランジ:片足10回×2セット
・ヒップアブダクション:15回×2セット
トレーナーコメント:「下半身を鍛えると、体全体の代謝が上がります。筋肉量が1kg増えると、基礎代謝が約13kcalアップします。」
② 背中・体幹のトレーニング(姿勢改善・肩こり対策)
在宅勤務中の“猫背姿勢”を改善するには、背中と体幹の筋肉を重点的に鍛える必要があります。
- おすすめメニュー
・ラットプルダウン:10回×3セット
・バックエクステンション:15回×2セット
・プランク+ツイスト:30秒×2セット
背中が鍛えられると自然と胸が開き、呼吸が深くなります。
結果的に、酸素消費量が増え脂肪燃焼効果もUPします。
③ パーソナルトレーナーの指導を活かす
ジムのトレーナーは「重さの設定」「フォームの確認」「目的別メニュー作成」を行い、最短ルートで結果を導いてくれます。
自分では気づけない癖(例えば膝が内側に入る・骨盤が前傾しているなど)も、マンツーマンで矯正可能です。
第5章 「自宅+ジム併用」で無理なく続ける理想の1週間スケジュール
自宅とジムを両立させるには、“完璧を目指さず、継続できるリズムを作ること”が大切です。
ここでは、在宅勤務者向けのトレーナー推奨スケジュールを紹介します。
🔹1週間スケジュール例
| 曜日 | 内容 | 目的 | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| 月曜 | 自宅:軽いストレッチ+プランク | 姿勢リセット・集中力アップ | 15分 |
| 火曜 | ジム:下半身トレーニング(レッグプレス・ランジ) | 代謝UP | 60分 |
| 水曜 | 自宅:ヨガ+ヒップリフト | 骨盤調整・リラックス | 20分 |
| 木曜 | 休息日(ウォーキングまたはストレッチ) | リカバリー | — |
| 金曜 | ジム:上半身トレーニング(ベンチプレス・ラットプルダウン) | 姿勢改善 | 60分 |
| 土曜 | 自宅:全身ストレッチ+スクワット | 維持・血流促進 | 15分 |
| 日曜 | 軽い有酸素(散歩・ジョギング) | 体脂肪燃焼 | 30分 |
🔹継続のコツ
- 「ジムの日」はスケジュールに固定
→ 予定としてカレンダーに入れると習慣化しやすい。 - 「自宅トレ」はルーティンに組み込む
→ 例:「朝食後にストレッチ」「昼の休憩前にスクワット」など。 - 筋肉痛の日は休んでもOK
→ 無理をすると続かなくなるため、“休む勇気”も必要。
トレーナーからのアドバイス:
「在宅勤務の人は“曜日で分ける”よりも、“気分で選ぶ”方が続きます。疲れている日はヨガ、元気な日は筋トレでOKです。」
第6章 よくある失敗例と成功のコツ
在宅勤務中のトレーニングは、時間の自由度が高い一方で“誘惑”も多いです。
ここでは実際の会員さんに多い失敗パターンと、その改善策を紹介します。
❌ 失敗例①:やる気が出るまで動かない
多くの人が「気分が乗ったらやろう」と考えますが、実は逆。
“動くから気分が乗る” のです。
→ 対策:とりあえず「1分だけストレッチ」から始める。
脳科学的にも、行動を起こすことで“やる気ホルモン(ドーパミン)”が分泌されます。
❌ 失敗例②:ジムで追い込みすぎて挫折
在宅勤務太りを一気に取り戻そうと、いきなりハードなトレーニングをしてしまう人がいます。
しかし、筋肉痛や疲労で2週目に続かないケースがほとんど。
→ 対策:**最初の2週間は「気持ちよく終われる強度」**で十分です。
「余力を残す習慣」が継続を支えます。
❌ 失敗例③:食事を極端に減らす
食事制限を強めると、筋肉量が減り代謝が下がります。
結果的に「食べてないのに痩せない」状態に。
→ 対策:タンパク質を中心に食べて、糖質は“活動前に摂る”。
例:朝にオートミール、昼に鶏むね肉、夜は魚+野菜。
✅ 成功のコツ①:「成果」を“数字”ではなく“感覚”で見る
在宅勤務の人は、日常で人に会う機会が少ないため、外見変化に気づきにくいです。
そのため、体重ではなく「体が軽くなった」「姿勢が良くなった」などの感覚を記録することを推奨しています。
日記アプリなどに「今日の体調」「気分」をメモするだけでも、モチベーション維持に役立ちます。
✅ 成功のコツ②:トレーニングを“気分転換の時間”にする
在宅勤務の1日の中で、最もストレスを感じる時間帯は「午後14〜16時」。
この時間に5〜10分の軽い運動を取り入れると、集中力が回復し、仕事効率も上がります。
トレーナーの間ではこれを「リセットタイム運動」と呼びます。
✅ 成功のコツ③:無理せず「7割の努力」を続ける
人は、常に100%の努力を求めると続きません。
7割でいいと考えることで、心の負担が減り、結果的に長く続く。
これがリバウンドしない体づくりの本質です。
トレーナーコメント:
「頑張りすぎず、サボりすぎず。継続できる“中間の努力”こそ、理想のスタイルを作ります。」
第7章 在宅勤務太りを防ぐ「食事・生活習慣」の整え方
在宅勤務では、仕事・生活・食事のすべてが同じ空間で行われるため、どうしてもだらけやすく・偏りやすくなります。
しかし、食生活と日常のリズムを少し整えるだけで、驚くほど体が軽くなります。
① 食事編:在宅勤務太りを防ぐ“たんぱく質中心+ゆる糖質”の考え方
「食べない」ダイエットはNGです。
在宅勤務では活動量が減っているため、筋肉量も落ちやすい。
ここで食事を減らすと、筋肉が分解され、さらに代謝が下がります。
トレーナーが推奨するのは、「たんぱく質を1日体重×1.5g」摂ること。
たとえば体重60kgの人なら、1日90gのたんぱく質を目標にします。
✅ おすすめの食材例
- 鶏むね肉、ゆで卵、豆腐、納豆、ヨーグルト、鮭、ツナ缶
- 間食にはプロテインドリンクやナッツを活用
また、「ゆる糖質制限」もポイント。
完全に炭水化物を抜くのではなく、昼にしっかり・夜は控えめにすることで、血糖値の安定と睡眠の質向上につながります。
② 生活リズム編:運動と代謝を支える“日中アクティブ”な1日
在宅勤務では、外出の機会が少なく1日中座りっぱなしになりがちです。
そこで意識したいのが、「1時間に1度は立つ」こと。
立ってストレッチ、肩を回す、スクワット5回でもOK。
これだけで1日の消費カロリーは100kcal以上増えます。
✅ 習慣化のコツ
- Zoom会議の前に「1分立つ」をルール化
- 昼食後は窓際で背伸び&深呼吸
- コーヒーを入れに立ち上がるタイミングでスクワット5回
こうした“小さな動き”を積み重ねることで、在宅勤務太りは自然と防げます。
③ メンタル編:ストレスを「食」ではなく「動き」で発散する
在宅勤務中は、上司の目がない代わりに「孤独」「焦り」「罪悪感」といったストレスが溜まりやすいもの。
そのストレスの出口が“食”に向かうと、食べ過ぎ・飲みすぎに陥ります。
トレーナーとして伝えたいのは、
「ストレスが溜まったときは、動いた方が早く解決する」ということ。
運動によってセロトニン(幸せホルモン)が分泌され、ストレス耐性が高まります。
つまり、「動けばストレスも太りも同時に減る」のです。

第8章 実際に“在宅勤務太り”を克服した3人の体験談
ここでは、実際に「自宅+ジム併用トレーニング」で成功した3名の事例を紹介します。
体型の変化だけでなく、心の変化にも注目です。
🧑💻 体験談①:34歳・女性/在宅デザイナー「2ヶ月で−4kg、腰痛も消えた」
「コロナ以降、ほぼ在宅。1日中パソコン前で、気づけば体重が増え、腰も痛くなっていました。
最初はYouTubeの運動をしても続かず…。
そこでパーソナルトレーナーに“自宅でもできるメニュー”を作ってもらい、週1回だけジムに通うように。
2ヶ月で−4kg、姿勢も変わり、腰痛が消えました。
何より、“自分にスイッチが入る時間”ができたのが嬉しいです。」
ポイント:短時間でも“体を動かす習慣”を持つと、姿勢・メンタル・体重の3つが同時に改善します。
👨💻 体験談②:41歳・男性/エンジニア「朝トレ×週末ジムで在宅太りを解消」
「在宅勤務で5kg増。お腹が出てスーツが入らなくなりました(笑)。
トレーナーのアドバイスで、朝の仕事前に5分プランク&スクワットを習慣化。
週1でジムに行って、ベンチプレスなど上半身を重点的に鍛えました。
3ヶ月で体重−6kg、腹筋のラインが出て、妻にも『姿勢良くなったね』と言われました。」
ポイント:自宅トレで“代謝を維持”、ジムトレで“筋肉を成長”。この役割分担が成功の鍵。
👩💼 体験談③:50歳・女性/事務職「ジムの日が“気分転換”に。心まで軽くなった」
「閉じこもり生活で、心も体も重く感じていました。
トレーナーから“無理せず週1で通うだけでいいですよ”と言われて始めたら、
気づけば通うのが楽しみに。
筋トレ後の爽快感でストレスが減り、自然と甘いものも減りました。
今は体重よりも“体の軽さ”が嬉しいです。」
ポイント:運動は“自分を整える時間”。体を動かすことで、心のリズムも整います。
第9章 まとめ:「自宅+ジム」で、在宅勤務太りはもう怖くない
在宅勤務太りは、「怠けたから」ではなく、環境が変わったから起きた自然な現象です。
しかし、同じ環境でも“行動を少し変えるだけで”体も心も変わります。
🔹まとめポイント
- 原因は「運動不足」「姿勢の悪化」「ストレスによる過食」
- 解消の鍵は 自宅=習慣/ジム=成長 の併用バランス
- 食事は「たんぱく質を意識+夜は軽め」
- トレーニングは「1日5分でもゼロにしない」
- ストレスは「食べる」ではなく「動く」で解消
💬 トレーナーからのメッセージ
「運動は、自分を責めるためではなく、“自分を大切にする時間”です。
完璧にやらなくても大丈夫。
自宅で5分、ジムで1時間、その積み重ねが1ヶ月後のあなたを変えます。
まずは“できること”から始めましょう。」
🌿 最後に:今日からできる小さな一歩
- 朝、コーヒーを入れる前に10回スクワット
- 午後の休憩に1分プランク
- 週末にジムで姿勢チェック
それだけで十分です。
在宅勤務太りを解消する最短ルートは、“自分の生活に合った続け方”を見つけること。
あなたのペースでOK。続けることが、最高のトレーニングです。

コメント